例えば、4000万円の建物をAが2000万円、Bが1000万円、Cが1000万円出して、共同で購入しました。この場合、この建物を「共有物」、A、B、Cを「共有者」と言います。
持分は支払った額に応じて振り分けられるため、
Aの持分=2000/4000=1/2
Bの持分=2000/4000=1/4
Cの持分=2000/4000=1/4
となります。
そして、共有は所有権なので、AもBもCも所有権を持っていることになります。
つまり、自分の持分については、自由に処分することができます。
共有物の利用関係
管理行為 | 具体例 | 必要な議決権数 |
---|---|---|
保存行為 | 建物の修理、不法占拠者に対する明渡し請求 | 単独 |
管理行為 | 賃貸借契約の締結や解除、軽微な変更 | 持分の過半数 |
変更・処分行為 | 売却、増築、改築(軽微な変更を除く) | 全員の同意 |
共有物の分割
各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。
なお、5年以内の期間を定めて分割しない旨の契約をすることもできます。(不分割特約)
更新することは可能です。やはり期間は5年以内です。
共有物の分割方法は「現物分割」「代金分割」「価格賠償」の3つがあり、協議をして分割します。協議が調わない場合は、裁判所へ分割請求することができます。裁判による分割の場合、現物分割が原則であるが、競売を命令して、その代金を分割する「代金分割」もすることができます。
共有物に関する負担
各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負います。
共有者が1年以内に管理費などを支払わない場合、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができます。
共有者の一人が共有物の管理費を支払わずに、共有物を売却した場合、共有物の購入者(新所有者)に管理費を請求できます。(債権は、その特定承継人に対しても行使することができる)
共有者の1人が死亡した場合
共有者の死亡した場合、 相続人がいれば、持分は相続人に相続されます。(原則)
相続人がいなければ、死亡した者(被相続人)と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めたものなど、特別の縁故があった者(特別縁故者)への承継が認められれば、持分は特別縁故者に帰属します。(判例)
相続人も特定縁故者もいない場合、他の共有者の持分の割合に応じて、他の共有者に帰属します。
共有者の1人が持分を放棄した場合
共有者の一人が持分を放棄した場合、その持分は他の共有者に帰属します。
