未成年者
(このページは、改正民法に対応しています)
未成年者とは20歳未満の者です。なお、20歳未満であっても、婚姻をした者は成年者とみなし、未成年者でなくなります。
未成年者が単独で行った行為は、有効ですが、取消すことができます。
でも、以下の3つについては取消すことができません。
1.何の負担もなく、タダで贈与を受ける場合、または、何の負担もなく義務を免れる場合
(例:未成年者がタダで1万円をもらう、何の負担もなく未成年者が借金をチャラにしてもらう)
2.お小遣いでお菓子を買う行為(親が使っていいよと処分を許したもの)
3.親から営業許可を受けた業務に関して
(例:19歳だけど、一人で宅建業を営んでいいよ!と許可を得れば、未成年者でも宅建業を営める。)
ここで、未成年者の親などのことを法定代理人(法律で定められた代理人)と言います。
そして、契約を取消す場合、取消すことができるのは、法定代理人だけでなく、本人も取消すことができます。
成年被後見人
成年被後見人とは、重度の認知症の方です。
家庭裁判所から後見開始の審判を受けた者が成年被後見人となります。
成年後見人の行った契約は有効であるが、取消すことができます。
ただし、日常生活に関する行為については取消すことができません。
例えば、スーパーで勝手にシャンプーを買ったからといっても、契約を取消すことはできません。
取消すことができるのは、法定代理人だけでなく、成年被後見人本人も取消すことができます。
ちなみに、成年被後見人の法定代理人は、他の法定代理人と異なり、同意権を持っていないことを覚えよう!
被保佐人
被保佐人とは認知症の方ですが、成年被後見人よりも症状が軽い方です。
家庭裁判所から保佐開始の審判をうけることにより、被保佐人になります。
多くの日常的な行為を単独で行うことができますが、重要な財産に関する行為については、保佐人(法定代理人)の同意が必要となります。
保佐人の同意が必要となる重要ポイントは以下のものです。
1.保証人になること
2.貸したお金の元本を受け取ること(利息については、単独で受け取ることができる)
3.不動産の売買
4.新築、改築、大規模修繕
5.相続承認や相続放棄、遺産分割行為
また、上記のような保佐人の同意が必要な行為について、被保佐人に不利益とならないのに、保佐人が同意しない場合、被保佐人の請求により、家庭裁判所は保佐人の同意に代わる許可を与えることができます。
被補助人
被補助人とは、被保佐人よりも症状が軽い方です。
家庭裁判所から補助開始の審判を受けることにより、被補助人になります。
制限行為能力者の中で、単独でできる行為が一番多いです。
第三者への対抗力
ここからは、制限行為能力者全体に関するポイントです。
制限行為能力を理由として、契約を取り消した場合、善意の第三者に対しても取消しを対抗することができます。
つまり、制限行為能力者が保護されるということです。
詐術を使ったら相手方を保護
しかし、制限行為能力者が、「自分は行為能力者だよ!」とウソをついて契約した場合は、取消すことができなくなります。
このように相手を騙す行為を詐術と言います。