質権とは?
被担保債権を保証するために、債務者や物上保証人から「動産や不動産など」を受け取って占有し、弁済がない時は、それを売却するなどして、そこから優先的に弁済(優先弁済)してもらう権利をいいます。
例えば、AがBに100万円を貸したとします。
(Aが有する貸金債権が被担保債権です。)
Aは100万円が返ってこないと困るので、Bが持っている時計に質権を設定もらいました。
(Aのために質権を設定してもらう場合、質権設定契約をします。)
A:質権者、B:質権設定者
という構図になります。
質権設定できるもの
質権は、時計などの「動産」だけなく、「不動産」にも設定できます。
また、貸金債権などの「債権」にたいしても質権設定できます。
これを債権質と言います。
質権の性質
質権は、「付従性」、「随伴性」「不可分性」「物上代位性」を有します。
たとえば上記例において、
債務者Bが100万円を返せば、質権の被担保債権である貸金債権が消滅するので、それに伴って当然に質権も消滅します。(質権に付従性がある)
また、債権者Aが上記、貸金債権を第三者Cに譲渡し、時計(質物)もCに渡す(占有を移転させる)と質権も、Cに移転します。(質権に随伴性がある)
そして、債務者Bが借りた100万円のうち20万円だけ返済したとしても、質権の一部が消滅するわけではなく、依然として時計全体に質権の効力が及びます。(質権に不可分性がある)
さらに、時計が何らかの理由で壊れてしまい、保険金がおりる場合、保険金が払われる前に保険金を差押えることで、その保険金から優先弁済を受けられます。(物上代位性)
質権の効力
質権は留置的効力が、および、優先弁済的効力があります。