自主占有とは、「所有の意思」を持って占有すること
他主占有とは、「所有の意思」を持たずに占有すること
例えば、あなたがマンションを購入して、そのマンションに住んでいる場合、あたなは所有の意思を持っているので自主占有をしていることになります。
それ以外にも、他人の土地にも関わらず、自分の土地と思い込んで(所有の意思を持って)占有している場合も、自主占有をしていることになります。
他主占有の具体例
・賃借人
Bが、A所有の建物をAから賃借した場合、Bはこの建物を所有の意思を持って(自分の建物と思って)占有しているわけではありません。
したがって他主占有です。
・質権者
建物の所有者Aと質権者Bがいたとします。
質権の場合、質権者に建物を引き渡すので、実際に建物を占有する人はBですが
Bは所有の意思を持っているわけではありません。
したがって、質権者Bは他主占有です。
他主占有から自主占有への変更
建物の賃貸人A、建物の賃借人Bがいたとします。
賃借人Bは上記の通り、所有の意思を持っていないので「他主占有」です。
その後、賃借人Bが死亡し、Cが相続したとします。(Bの相続人C)
相続人Cは、Bが建物を借りていることを知らずに、当該建物を自分の建物と思い込んで占有を始めました。
つまり、所有の意思を持って占有を開始したわけです。
この場合、相続人Cは自主占有をしたことになります。
つまり、もともとBは他主占有だったにも関わらず、相続することにより、自主占有に変更することもあるということです。
さらに言えば、Bは借りていて所有の意思を持っていないので、建物の所有権を時効取得できませんが、
Cは所有の意思を持っているので、建物の所有権の時効取得も可能です。
実際、宅建試験の問題でも「他主占有から自主占有に変更」場合の問題がありますので参考にしてみてください!
■この自主占有と他主占有は「所有の意思を持っているかどうかで」判断しますが、似たような単語で「自己占有・直接占有」と「代理占有・間接占有」があります。
「自己占有・直接占有」と「代理占有・間接占有」は、誰が実際に占有しているのか、また誰を介して事実上占有しているかで判断します。