代理人が本人のために代理行為を行う場合、相手方に対して「この契約は本人のために行います!」と示さなければなりません。この示す行為を「顕名」と言います。
例えば、あなたがAからA所有の土地の売買契約締結の代理人となって、買主Bと売買契約を締結するとします。
つまり、「売主A、売主代理人あなた、買主B」という構成です。
この売買契約で、あなたは買主Bに対して「この売買契約の売主はAです!」と伝える必要があるわけです。これが顕名ですね!
もし、顕名をしなかったらどうなるか?
代理人が本人のために行う事を示さなかった場合、代理行為の効果は、原則、代理人自身のために意思表示をしたことになります。つまり、上記事例では、あなたが、売買契約の売主とみなされ、土地の引渡義務を負うことになるわけです。
ただし、例外もあります。相手方が、売主がAということを「知っていたり(悪意)」、少し考えれば気づくことができた(有過失)場合は、本人に効果が帰属します。つまり、売主はAとみなされ、Aが引渡義務を負います。
原則 | 代理行為の効果は、代理人自身のために意思表示をしたとみなされる =代理人に効果が帰属 代理行為の効果は本人に帰属しない |
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例外 | 「代理人が本人のために行っていること」を相手方が「知っていたり(悪意)」、気づくことができた(有過失)場合は、本人に効果が帰属する |