宅建試験で出てくる鑑定評価というと、「不動産の鑑定評価」です。この分野は、不動産鑑定士という超難関試験の出題範囲にもなっており、非常に内容が難しいです。そのため、深掘りしすぎると危険な分野でもあります。さらっと全体像を理解した上で、宅建士の過去問を解きながら、細かい部分を覚えていきましょう!
不動産の鑑定評価
不動産鑑定士が鑑定しようとしているある特定の不動産(「対象不動産」という言い方をする)が「どんな地域に属するか?」「駅からどれくらいか?」「日当たりはどうか?」「どんな道路と接しているか?」などの色々な事を分析して、対象不動産がどれくらいの価値があるか(評価額)を決めることを言います。
不動産鑑定のやり方
よくテキストでは、「不動産鑑定の方式」と記述されますが、簡単にいえば、不動産鑑定のやり方です。実際、不動産鑑定のやり方については、3種類あります。
- 原価法
- 収益還元法
- 取引事例比較法
そして、鑑定評価を行う場合、対象不動産の特性に合わせて複数の鑑定評価のやり方を使います。
これを、法律上は下記のように記載されています。実際の試験でも下記のような言葉で記述されますが、簡単にいれば、上記のような内容です。
↓
鑑定評価方式の適用にあたっては、地域分析および個別分析により把握した対象不動産に
係る市場の特性等を適切に反映した複数の鑑定評価の手法を適用すべきとされている。
不動産鑑定評価の基本的な流れ
①対象不動産の確定
まず、どの土地や建物を鑑定するのか?を決めます。
②価格時点の確定
価格時点とは、いつ鑑定評価をするのか?ということで、例えば、平成29年2月20日時点での評価額を決めるのであれば、平成29年2月20日が価格時点となります。
価格時点については、「現在時点」「過去時点」「将来時点」の3つがあります。
例えば、現在が平成29年2月20日だと仮定します。この場合、
平成29年2月20日は現在時点で、平成29年2月19日以前の日における不動産の鑑定を評価する場合、その日が過去時点となります。逆に平成29年2月21日以降の日における不動産の鑑定評価をする場合、その日が将来時点となります。
③価格の確定
上記①でどの不動産を鑑定するのかを決め、②でいつの時点での評価額を鑑定するのかを決めました。最後に、評価を行って対象不動産の評価額を決める流れです。
そして、不動産鑑定評価によって求める価格については、普通は「正常価格」ですが、鑑定評価の目的などに応じて「限定価格」や「特定価格」「特殊価格」などを求める場合があります。つまり、鑑定評価の目的に応じて価格についても色々あるということですね!