囲繞地通行権とは
囲繞地(いにょうち)とは、袋地を囲んでいる土地を言います。
袋地(ふくろじ)とは、他の土地に囲まれて公道(道路)に通じない土地を言います。
そして、袋地の所有者は囲繞地を当然に通行する権利を持っています。
通行方法
袋地の所有者は、囲繞地にとって最も損害が少ない方法を選んで通行しなければなりません。
また、通行に際して必要がある場合は、通路を開設することができます。
償金の支払い方
償金とは、上記、囲繞地を通行することにより、囲繞地の所有者が受ける損害金のことです。
袋地の所有者は、囲繞地の通行による償金を、囲繞地の所有者に支払わなければなりません。
土地の分割や譲渡によって袋地が生じた場合
ここでは、もともと袋地の場合の話ではなく、土地の分割によって袋地が生じた場合、または、土地の譲渡により袋地が生じた場合のルールをお伝えします。
共有分割により袋地が生じた場合の囲繞地通行権
上の図は、AとBが共有する甲地を分割して、「乙地をA」が、「丙地をB」が所有することにより、もともと袋地がなかったにも関わらず、共有地の分割により、「A所有の乙地」が袋地になってしまいました。
このような場合、Aが、道路に至るまでの通行については、丙地(分割によって生じた囲繞地)しか通行することはできません。他の囲繞地は通行することはできません。
そして、この場合の通行料は無償です。
一部譲渡により袋地が生じた場合の囲繞地通行権
上の図は、Bが、甲地の一部をAに譲渡することにより、袋地(乙地)が生じた場合を表します。
この場合も、上記と同様、Aは、丙地(分割によって生じた囲繞地)しか通行することはできません。他の囲繞地は通行することはできません。
そして、この場合の通行料は無償です。