BがAにお金を貸し、A所有の建物に抵当権を設定しもらった。
その後、「抵当権を設定した建物」のみ抵当権を実行(競売)して、第三者Cが競落した。
しかし、この状況では、
Cは競落したにも関わらず、土地(A所有地)を利用する権利がないCは
Aから「建物を取り壊して明渡せ!」と言われると、明渡さないといけません。
それだと、Cがかわいそうなので、法律によって、地上権を認めています。
これが、「法定地上権」です。
法定地上権の成立要件
法定地上権の成立要件(全て満たす必要がある) |
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1.一番抵当権設定時に、「土地」と「建物」が存在し、「同一所有者」であること |
■1.一番抵当権設定時に、「土地」と「建物」が存在し、「同一所有者」であること
上記例は一人しか登場しないので、関係ありませんが、もし、Bが抵当権を設定する前に、別の抵当権者Dが存在し、Dが抵当権設定した時に土地(更地)しか存在しなかった場合、たとえ、Bが抵当権を設定した時に、土地と建物が存在していたとしても、法定地上権は成立しません。
1.Dが更地に抵当権を設定 : 抵当権者D(1番)
2.その後、Aが建物建築
3.Bが建物に抵当権を設定 : 抵当権者B(2番)
もし、法定地上権が成立すると、土地の価値が落ち、抵当権者Dが損害を受けるからです。
また、「土地」と「建物」の所有者は同一でないといけないので、
「土地の所有者A」、「建物の所有者Aの妻」の場合は法定地上権は成立しません。